組織市民行動のダークサイド ~ポジティブな行動のネガティブな側面~

今週は中原研で英語文文献発表でした。

テーマは組織市民行動です。
組織市民行動とは、ざっくりいうと『指示・制度に規定されたものではないけれど、
個人が自発的に担ってくれる行動で、職場や組織を円滑にまわすリソースになる行動(中原先生のFB投稿より引用)』のことです。
うまく「まわっている」組織では、このような行動をとっている個人が必ず一定程度存在するのではないでしょうか。

これは、一般的には「良い事」として研究されています。
その根拠は三つ。
・前向きな動機、自発的に組織を想って行われる行動だから。
・組織全体のパフォーマンスがあがる。
・組織が回るようになり(↑)、働きやすくなり、当事者の職務満足なども上がる。当事者の職務満足が上がるという事は、企業にとっても従業員を保持するうえでプラス。

これについて、一つ一つ、「いや、そんなにイイことばっかりじゃないだろ」と突っ込んでいきます。
最大のポイントは自発性。

「組織のための行動」は、見方を変えれば、「自己犠牲」になります。
組織としては、この行動はありがたいものであり、奨励したいところですが、
これを求めすぎれば、自己犠牲を強いる事になります(ブラック的な…)。
この辺のバランスをどう考えるか。
バランスが崩れた時には何が起きるのか。
そういった事を考えるヒントが散りばめられた論文でした。

自分が対象としている学校組織についていろいろ考えつつ読んでみました。
例えば、今年度の初めごろ、高一の担任を持っている教諭が
自分の息子の入学式に出るため、自分の勤務校の入学式を休み、
そのことについて賛否両論ありました。
また、昨年度の終わりごろ(?)だったかな。
中学校の部活制度を「ブラックだ」と批判するブログが話題になりました。

どちらも全て程度も違うし状況や要因も色々ある事をぶっとばして、
無理矢理共通項を見だすとすれば、
プライベートをどれだけ捨てるか、自己犠牲の部分が話題になっているように思います。
(自己犠牲という捉えが違う!という方もいらっしゃると思いますが置いといて。)

学校と言う組織は、子どもという不確実性の塊を抱え、想定外の出来事がさまざま起こる組織です。
かつ、リソースは限定され、基本的に「足りてない」という状態です。
そのような組織では、この「組織市民行動」はかなりキーになります。

しかし、不足している状態が慢性的に続いているため、
ある意味、「やって当たり前だろ」という状態になっています。
このような状態を論文ではcitizenship pressureがある状態と紹介しています。
本来の組織市民行動とは違う状態になります。

そうなるとどうなるか、、、

その辺は細かい内容ですんで割愛しますw
読んでみてくださいw

また、あわせて、この著者の姿勢も割と面白いな、と感じました。
一般的に「ポジティブ」と考えられるものを、あえて「ネガティブ」に見てみようとする姿勢。
「定説に抗うぜ!」という姿勢自体がちょいカッコイイ気がします。
自分の研究を紹介する論文に「dark side」とつけちゃうあたり。。。
ジェダイ気取りか!!と突っ込んでみたい気持ちになりました(笑)

最後に論文の情報をば。

Mark C. Bolino, Anthony C. Klotz, William H. Turnley andJaron Harvey ”Exploring the dark side of organizational citizenship behavior”,Journal of Organizational Behavior(34)4,pp542-559.
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