月別アーカイブ: 10月 2014

非公式リーダーと公式リーダーの関係に関する日米の差異 ~分散型リーダーシップの論文を読んで~

昨日は中原ゼミでした。
英語文献発表は吉村さんが担当で、Leithwood and Mascall(2007)
両者トロント大の方で、Leithwoodは分散型リーダーシップのキーパーソンですな。
(ますますトロントいきたくなった)

内容のポイントは、中原先生のFB(https://www.facebook.com/jun.nakaharajp/posts/10204168184057623)にある通り、

分散型リーダーシップといっても、何でもかんでも「分散」すればいいわけではない。
「何」が分散されるべきか、という視点が最も大切。
リーダーシップ機能の中には「ビジョン決定」や「組織づくり」など、決して「分散」してはいけないものもある。

という事。

で、考えたのはこの辺の本筋とは離れたとこなんだけど。。。

この論文には「公式リーダー」と「非公式リーダー」という概念?が出てくる。
非公式リーダーというのは、「公式ではないリーダー」という事(そのまんまやないか!でもそーゆーこと。何かしら定義があった気がする。)。
分散型リーダーの論文ですから、基本的には非公式リーダーがいることは前向きに捉えられているわけです。

で、こういう論文読むと、いつも「日本の学校だとどうだろ」と考えてしまう。

で、思いあたったのが異動。

はい、私、異動研究者ですから。

日本の場合、校長も異動するのよね、結構早いスピードで。教員よりはやいスピードで。
欧米の場合、理事長なりトップは基本的変わらないというか、少なくとも長期政権なんじゃないだろうか(知らんけど)。
人事権も日本の校長よりでかいはず(知らんけど)。
つまり、確固たる公式リーダーがいて、そこに非公式リーダーが生まれるという話だと思う。

日本でも、同様に、まずリーダーがいて非公式リーダーが生まれるというパターンもあるんだと思う。
でも、異動を考えると色々なパターンがありえそう。例えば、非公式リーダーが生まれたあと、リーダーが異動しちゃうとか。で、非公式リーダーがいるところに公式リーダーが後から入ってくるとか。

非公式リーダーが全体のバランス感のある方なら、新たなリーダーのビジョンを尊重したり出来るだろう。
自分を消すことはなくても、うまくバランスとったり出来るだろう。
リーダーが力のある方なら、非公式リーダーをひきたてつつ上手くやるかもしれない。
そしてその場合には、予期実践やよき文化の継承もされるかもしれない。
新たな校長の考えとあいまって、新たな化学反応が生まれるかもしれない。

前向きだ。

でも、両者がその辺うまくやれるとは限らない。
下手すると、非公式リーダーは対抗勢力の頭になっちゃうかもしれない。
っていうか、そういう事よくありそう。
3年前ぐらいに校長先生にインタビューして回ってた時、古参のベテラン教員を煙たがっている人もいたのを思い出す。
少なくとも、自分よりずっと前からいるベテラン教員の扱いが「難しい」のは確かなんだろな。

そう考えると、日本の学校の場合、この論文の肝の部分で言ってたような「分散しちゃいけないものまで分散しちゃう」つまり、「公式リーダーがやるべきことまで非公式リーダーがもってっちゃう」事も起こりやすいのかもしれない。

「ここの学校では昔からこうですよ」とか言っちゃってね。

「異動」という日本の学校に特有のシステムを考えると、日本の場合は比較的「分散型リーダーシップのリスク」が髙く、欧米の学校のように「分散型リーダーシップマンセー」とは言い切れない、と。

そんなことを思いましたとさ。

ではではー。

初めてのUST「リフレクションの理論と実践」

ちょうど一週間くらい前、初めて、USTというものを体験しました。

http://www.ustream.tv/channel/nakaharalab

もちろん、見た事はありましたが。

配信する側に係ったのは初めて。

面白かったです。

機械の事とか、「音出さないように」とかそんなんばっかり考えていたので

内容は正直おえてないんですが(あとで見よう)

中原先生が場をあっためるタイミングとか

ツイッター使って巻き込んでいく感じとか

勉強になりやした。

その後の飲み会も楽しかったです。

―――――――――――――

もろもろリンク。

●出演者でもある、リフレクションナイトの方々のページ

http://ameblo.jp/reflectionight/entry-11941216095.html

●関根さんのブログ

http://learn-well.com/blogsekine/2014/10/post_425.html

↑最後にちょろっと自分が喋った「リフレクションを守る」ってワードが入ってて嬉しい。。。

2014 方法学会@広島大学。備忘録。

秋田先生の発表。

授業研究の頻度を高中低群に分けて、事前・事後の研究会の在り様や、記録の取り方、検討会での議論の在り方の差異を分析。授業研究の頻度を基準とする事についていくつかの質問・意見。ただ、そういった課題をふまえつつも、クリアに結果が見える形を「今回は」優先したという話のように感じた。

千々布先生の発表。

秋田・福井以外は県内の学力の差異が大きいのに対して、秋田・福井は学力が高いかつ、県内全体で平均を超えている(≒学力の差異の幅が小さい)のは、学校毎の変数ではなく、自治体全体に関わる変数の影響が大きいのではないか → 指導主事に着目
指導主事の訪問状況と学習指導の在り方、学テの結果の関係を分析。
細かい部分は時間の関係で飛ばし気味。資料をもらいそびれた。。。

面白かった。

ところで、今回の千々布先生の発表の本筋じゃない部分だけど、
「授業研究→日々の実践」よりも「授業研究→学校の組織力→日々の実践」のパスの方が大事じゃないか、という話は、とても共感した。(※「日々の実践」だったか「教育力」的な感じだったか、色々と曖昧)

授業研究は、学校の組織力を上げるための手段の一つ。もちろん重要な手段のだけど、手段の一つである事を忘れてはならない。他にも当然あり得る、という考え方は、結構共感した。
「他」として挙げられていた「組織開発」の中に、研究室の山田さんの論文が挙げられていた。子どもや地域の実情、学校の課題によっては、組織開発なりチームメンタリングなり、いわゆる授業研究以外の他のものでも良い気がしたよ。

司会してた吉崎先生とかどう感じたかな。

そういう意味では、小柳先生の組織論から見たアプローチの整理はとてもおもしろそうだった。聞けなかったけどこちらは資料だけ入手。

授業研究や教師教育研究が、今、組織論とか学校経営の分野に広がりつつあることを感じて、なんとなくワクワク。

あとは自分のコースについて。

うちのコースは、学校経営と教育行政が一緒になっている。
そういう経緯もありつつ、また、かつて、学校経営が学校管理として教育行政の末端的意味あいをもたされていた事もあって、学校経営を中心的に研究対象にしている人が視野を広げる対象とするのは教育行政になりがち。
ただ、今回、(行政学会とバッティングしながら)方法学会行ってみて、教育方法や教育内容、教師教育といった研究分野と組む事で出来そうなことはいっぱいあるな、と感じた。
特に、「授業研究を基盤とした学校づくり」をやろうとしている人達からすると、今、組織論的経営論的見方ってかなり必要とされている気もする。
もちろん教育行政とのつながりも大事だけれど、学校経営をやる者にとって、教育方法とか内容との関わりも大切にすべきだと感じた。

以上。

今年の学会発表終わりました。

●第50回教育方法学会@広島

今日、教育方法学会の発表が終わりました。
教育行政学会@学芸と日程が重なっていて、かなり迷ったのですが、
どうしても今年中に発表したい共同研究のデータがあったので、
共同研究者の方と一緒に参加できるこちらで発表を行いました。

・第50回日本教育方法学会
町支大祐・脇本健弘・讃井康智・中原淳(2014)
「教員の組織社会化に関する研究」

・第50回日本教育方法学会
脇本健弘・町支大祐・讃井康智・中原淳(2014)
「教員の組織社会化に関する研究」

自分が筆頭の発表は、「組織社会化」の概念の説明を中心に、量的な分析の結果を発表しました。
”教育「方法学」にどう関わるのか”といった点について質問をいただきました。

発表自体はそれなりにいつも通りに。
しかし、質問への回答は、正直いってあまり上手くできませんでした。
反省。

「もっと簡潔に。」
共同研究者であり、研究の先輩であるW本先生からアドバイスを頂きました。
また精進していこうと思います。

●今年の発表

今回で秋の学会シーズンは終わり、今日の発表で一応今年の発表は終わりの予定です。

今年は、

・第30回日本教育工学会@岐阜大学
町支大祐、脇本健弘、讃井康智、中原淳(2014)
「校務分掌におけるリーダー経験と若手教員のキャリア意識との関係に関する研究」

・第30回日本教育工学会@岐阜大学
脇本健弘、町支大祐、讃井康智、中原淳(2014) 
「組織的なメンタリングにおけるメンタリング行為の継承性に関する研究
~メンティからメンターへの移行~」

・第24回日本教師教育学会@玉川大学
町支大祐(2014)
「異動後の教員の適応と学習に関する研究― 組織社会化と組織個人化の観点から ―」

・第24回日本教師教育学会@玉川大学
坂田哲人、中田正弘、脇本健弘、町支大祐(2014)
「学習する学校に果たす教師教育研究者の役割に関する研究― 校内授業研究を基礎として ―」

・第24回日本教師教育学会@玉川大学
脇本健弘、町支大祐、讃井康智、中原淳(2014) 
「組織的なメンタリングを通した若手教師の成長―5 年次教師を対象に―」

・第50回日本教育方法学会
町支大祐・脇本健弘・讃井康智・中原淳(2014)
「教員の組織社会化に関する研究」

・第50回日本教育方法学会
脇本健弘・町支大祐・讃井康智・中原淳(2014)
「教員の組織社会化に関する研究」

ということで、7本でした。
学会という場自体には慣れてきましたが、
内容面、発表のやり方(特に質疑応答での対応)の面でもっともっと良くできる部分があるなぁと感じました。

忘れないうちに、省察して持論化しとこうと思います。

一歩一歩前へー。