先行研究を読むのは何のため? ~ブルーオーシャンを探す…だけ!?~

さて、今年はTAをやっています。
教育行政調査演習という授業で、学部生たちがグループになってフィールド調査を行い、報告書をまとめるというものです。

で、今、この研究の枠組み設定の支援をしているんですが、伝えなきゃいけないなと感じる場面が意外と多いのは「先行研究を読む意味」です。

読み方、整理の仕方、まとめ方については、諸先生方、諸先輩方から色々とブログありますので
こちらを参考にしてください。

〇僕が中原研で学んだ「先行研究の読み込み」に必要な3つのポイント by舘野さん
http://www.tate-lab.net/mt/2010/04/post-176.html

〇先行研究をまとめる5つのプロセス、陥りやすい3つの罠 by中原先生
http://www.nakahara-lab.net/2011/10/post_1803.html

で、今日僕が書こうと思うのは、そもそも何故先行研究読むのかってこと。
それなりに研究をしている人にとっては当たり前になりすぎて、意外と整理されていないこと。

これを書いてみようと思います。
(自分の整理のために。)

というのも、先行研究を読む意味を 「誰かにやられちゃってないかチェック」のためだけと理解している人が多いように感じます。。。
もちろん、それはとても大事な意味なんだけど、それだけじゃないと僕は思います。

大事なのは、次の三つ。

①誰かにやられちゃってないかチェック
②方法論の参考にするため
③これまで分かってることとの「違い」を意味づけるため

一つ目はさっきも言った通りです。
自分の問い、仮説がすでに誰かによって検証されていないかを確認するため。
いわゆるブルーオーシャンを探すため。

これは基本です。

でも、これだけだと、十分ではない。

この点だけを根拠にして、 「やってないからやります」 を自分のオリジナリティとしてアピールする研究はそこそこある。
だけど、それだけじゃあ研究の生まれる余地は無限に広がってしまう。
この世の中の全てを研究する事は当然できないからだ。

というわけで、「やられてない」に加えてもう一つ必要。
それが何かというと、「その研究が優先される意味」のようなものを探求し、示す事。
ブルーオーシャンの比喩で言えば、そのブルーオーシャンに帆を広げて出航しても、そこに「お宝」がなければ、ただの航海になってしまう。

他にもよく、先行研究を読む目的について、「穴を探す」という表現が用いられたりする。
先行研究をいくつかの次元に整理した時、分析されてない「穴」はどこなのか、ということ
しかし、その穴が、掘っても意味ない穴だったらどうすんの?って事まで考えないとならない。
その穴にどんなお宝があるんか、想像しないとね、ってこと。

で、論文に書く場合には、そこにお宝がある事を示さないといけないのよね。
そのために、先行研究を読む。
先行研究で言われている知見に、意味ある1頁を書き加える必要がある。
そのためには、先行研究の「流れ」を読む必要がある。

先行研究はそれぞれ別個に存在するが、必ず歴史を持っている。
「最初Aが注目されていたけれど、次は、社会状況の変化からA+が注目されるようになった。
でも、××によって、その流れを否定されるような知見が示されて、Bも大事じゃないかという話になり、今は宙ぶらりんの状態」
といったような流れだ。

で、その流れを読んだとしたら、次のような可能性が考えられるだろう

「A+とBを両方調査して、どんな場合にAがあてはまり、どんな場合にBがあてはまるか考えよう」

そんな感じ。
そういうストーリーを紡ぐ必要がある。
自分がやろうとしている事がこれまでの流れから言って、意味ある調査になりうるかどうか。

これを言語化するのは、センスが必要な気がする。
これこそ、研究の上手い下手が出る部分かも知れない。

と、ちょっと話がそれましたが、「これまでの研究のストーリー」を紡ぎ、そのストーリーの最後の登場人物として自分が出てくるような流れを
示す必要がある。
何度も言ってきたけど、この流れを語るには先行研究にあたるしかない。

そんな視点で先行研究を見る必要がある。

で、最後。

研究方法論の参考。
どんなに問いが正しくても、それを調べる方法論が間違ってたら、それは認められない。
何を対象に、どんな分析概念、分析手法を用いるか、その組み合わせが方法論である。
その「正しさ」を簡単に補償する方法は、「過去にもコレやって認められてきた」から。
過去に行われてきた研究の目的や状況をふまえれば、自分がやりたい事にピッタリなそれも
導き出せる。

そのために先行研究を読む。

というわけで、三つの理由を示しました。
これは、ほぼ、自分のための整理かも知れません。
一度、自分の中で考えている事を文字化したかったのです。

そんなわけで、他の方から見たら、「ちがうわボケ」的な突っ込みもあり得るかと思いますが、
ひとまずこのように示しておきたいと思います。

でーわー。

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