メンター方式とは① : 中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」を受けて

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【参考:メンター方式に関わるその他の記事】

●メンター方式とは①:メンタリングとは←ココ
●メンター方式とは②:なぜ今メンター方式なのか
●メンター方式とは③:内容や手法の紹介
●メンター方式とは④:セーフティネットとして

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【本文】

2015年12月21日に、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」と題された答申が発された。(教育新聞「中教審総会で3答申 馳文科相に手交」https://www.kyobun.co.jp/news/20151222_01/

アクティブラーニング、チームとしての学校ICTなどなど、最近の潮流を表すキーワードも盛り込まれ、様々な面で話題となっている。

例えば、アクティブラーニングはここ数年散々言われてきたが、アクティブラーニング的な学びの場を作れるような教員をどう育てるのか、ということはこれまでそれほど言われてこなかった。また、研究者の身分に関わって言えば教職課程認定の話はスルーできない問題である。

他にも、教員養成指標を策定する流れになったこと、養成・採用・研修の一貫性がうたわれるようになったこと。(これは、これまで割とスルーされてきた「採用」が改革の対象となったという意味合いも持っている。)また、より細かい点としては、教員採用試験における共通問題の作成が示されていることなど、割と多彩なポイントがある。

自分の研究に関わる側面でいえば、「メンター方式」に言及されていることが大きなポイント。ここ数年、横浜市教育委員会とともに、メンターチームに関わる調査や実践を積み重ねてきた(参考:当ブログ「メンターチーム」検索)。
教員養成部会のメンバー(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/meibo/1363205.htm)には、かつての横浜調査時に大変お世話になった校長先生の名前もあり、横浜市のメンターチームが一つの参考になった可能性は高いだろう。

しかし、一般的に言って、「メンター」という言葉は認知されているとは言い難いんじゃないだろうか。
自分も初めて「メンターチーム」という言葉を聞いた時(当時は現場の教員であった)は、「メンタル的にサポートするためのチーム」ではないかと思っていた。
多くの人にとって馴染みのある言葉かといえば、そうではないというのが現状ではないだろうか。

そこで、しばらくは(続けば。気持ちが続けば。)メンターやメンタリング、メンターチームについて書いていきたいと思う。
アカデミックに、というよりは、イメージで描いていきたいと思いますんで、もともと研究してる方からはツッコミを受けるかもしれません。
ツッコミお待ちしております、というか、むしろ、修正していただけるのはありがたい。。。

メンターという言葉の語源は、ギリシャ神話に登場する「メントール」という人物だったと思う。メントールは、人生の先輩として王子を導いた人。この物語が由来となって、『指導者・後見人・助言者・教育者・支援者という役割を全て果たす人(久村1997)』を意味する言葉だと言われている。

と、書くと、全知全能というか、ものすごく素晴らしい人をイメージしてしまうかもしれないが、メンターという言葉のイメージとは少しずれてしまうかもしれない。むしろ、次のような感じをイメージしてもらうと分かりやすいんではないだろうか。

社会人になってそれなりの経験をへた人が、かつてを振り返って、「今の自分があるのはあの人のおかげ」みたいな事を言うことってありませんか?
「あの人に出会えたことで私は成長できた」と思えるような人。
相談に乗ってもらったり、悩みを愚痴らせてもらったり、時には方向性を示してもらったり、あるいは叱咤激励してもらったこともあったかもしれない。
若い自分を、それなりに近い距離から見守ってくれたり、背中を押してくれた人。

そういう人を「メンター」と考えると良いと思います。
また、そのメンターと、後輩(メンティーと言います)との関係を「メンタリング」と言います。

昔からある研修っていうのは学ぶ内容を基点に考えるもので、いわゆるOJTは学ぶ場面を基点に考えると思いますが、メンタリングは人と人との関係を先ずベースに考える、という形です。
そういう意味では、視点は異なるとはいえ、これまでの初任者研修やらOJTと、重なる部分もあったりします。実際、大阪府のOJTに関する文書には、メンタリングの概念が紹介されていたりします(次世代の教職員を育てるOJTのすすめ~学校で育てるために~http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6350/00000000/ojt.pdf)。

また、さらに言えば、かつて日本に自然にあった「同僚性」の中での先輩後輩関係というのは、メンタリングのイメージに最も近いと思われます。
こういった関係を、自然発生に任せず、ある程度公的にサポートしていくのが、「メンター方式」と考えるのが良いと思います。

では、なぜ、この「かつて自然にあったもの」を公的にサポートしていく必要があるのでしょうか。
この辺りについては、「大量採用」が関係しますが、これらについて、次回、書いていきたいと思います。

さて、最後に、本の紹介をしておきたいと思います。
自分の本です。笑
メンターチームについての調査結果をまとめた本です。
後半には、メンターチームを行う上での留意点なども紹介しております。

というわけで、良かったら、ポチしてください。笑
お願いします。

【教師の学びを科学する:データから見える若手の育成と熟達のモデル】9784762828973

続きはこちら(↓)から
参考:メンター方式とは①〜④

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