【本日発売!】「データから考える 教師の働き方入門」

今日、2/28は「データから考える 教師の働き方入門」(辻和洋・町支大祐編著、中原淳監修)の発売日です。とうとう出ました(涙)。

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本書「データから考える 教師の働き方入門」は、横浜市教育委員会×中原研究室の共同研究「持続可能な働き方プロジェクト」の研究成果をベースにしています。このプロジェクトでは、横浜市教育委員会の教職員育成課のみなさまとともに、学校の働き方調査や、働き方の改善に取り組んできました(教職員育成課のみなさま、ありがとうございます!)。

※(参考)このプロジェクトに込めた思いについては以前、ブログに書きました
https://cdai80.wordpress.com/2019/02/07/%E4%BA%88%E7%B4%84%E9%96%8B%E5%A7%8B%EF%BC%81%E3%80%8C%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%8B%E3%82%89%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80/

本書の特徴の一つは、タイトルにもある通り、データを用いていることにあります。例えばこれ、

●休憩時間に休憩できてない教員99.6%

休憩時間に休憩できてない教員99.6% 。休めてるのは0.4%のみ。さらっとすごい数字が出ています。

近年、たくさんの行政調査などが行われ、過労死ライン以上は●●%といった数字は、繰り返し出されています。本書は、そういった質問も行なっていますが、それに加えて、働き方や職場に関する先生方の「認識」もたずねています。それらをクロスすると、例えばこんな調査結果も見えてきます。

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教員がどうしても長く働いてしまう原因の一つ(他にもたくさんありますが、そのうちの一つ)には、「不安」があるのではないでしょうか。特に若い人に多いかもしれません。明日の授業が、明日の学活が不安。生徒は待っているのに準備ができていない。準備不足で右往左往してしまう自分を想像して不安。だから、「できうるかぎり」の準備をしてしまう。そんな不安が長時間労働を生んでしまうのかもしれません。

こういったように、データを通じて、「なぜ長時間労働が起きるか(2章)」あるいは「長時間労働を改善するには(3章)」といった点について、様々な切り口からデータを通じて考えています。

もう一つの特徴は、ストーリーを大切にしている点です。データは、その数字だけでは何も語りかけてはくれません。その背後には人がいて、働き方には一人一人に物語があります。そういった一人一人の物語に思いを馳せてこそ、はじめて数字に意味が出てくるのだと思っています。我々は、そのメッセージを序章と5章(対談章)に込めました。

序章では、複数の匿名の教員に寄り添って、働き方のストーリーを編んでいます。ここでは、辻さんの文章力がふんだんにいかされています(プロフェッショナル!!)。

●序章

 

また、5章では、中原先生と三人の先生方の対談があります。岩瀬直樹さん、杉本直樹さん(ダブル直樹さんだ!)、住田昌治さんにお話をうかがっています。3名の方々がこれまで働き方についてどんな経験をされてきたか、そして、働き方の改善が進んだ先にはどんな学校や教師がありうるのか、といった点について語っていただいています。それぞれの先生にしか語っていただけないことも語っていただけたように思います。ここの章を読むためだけに買っても惜しくないくらいだと思います(自画自賛ですみません。でも本当に面白いです)。

●対談

5章には、あわせて特別対談があります。横浜市で教員の働き方改革に取り組んでいる二人の課長(立田順一課長、島谷千春課長)にお話しいただいています。これがまた、”他では聞けない話”が色々あって面白い。行政の方としてギリギリのところまで語ってくださっているように思います。一方で、もともと現場にいながら、あるいは、もともと文科省にいながら、今は教育委員会の一員として学校現場に働きかけることへの迷いや難しさのようなものも滲み出ていて、「なるほどなー、行政にいる方はこういう風に考えているのか」と考えさせられるところがたくさんあります。

さて、データとストーリーという2つの特徴を見てきたわけですが、もう一点、本書で大切にしてきた点があります。それは、「組織で取り組むことも視野に入れている」という点です。もちろんどのように働くか、ということは、個人に原点がある問題です(個人の働き方に関するデータやストーリーももちろんたくさん取り扱っています。)しかし、学校として業務の一部をやめたり、というところまで踏み込んでいくことを考えるならば、働き方の改善には「組織」で取り組むことも視野に入れてとらえる必要があると考えています。

これは同時に、働き方の改善に「それほど積極的でない」先生や、「迷いを感じている」先生も巻き込んでいく必要がある、ということを意味しています。本書は、そういった先生にも読んでいただける本、そして、読んでいただきたい本です。また、そういった先生方を「巻き込みたい」と思っている方にもぜひ読んでいただきたいと思っています。
働き方改革に対して、迷いや葛藤を感じるのは、ある意味当然かもしれないと思っています。数年前までは、今の働き方改革の流れとは異なり、とにかく時間や労力をかけることは単純に良いこととされてきました。それが急に変わってきたことにとまどいを覚える人もいるのは当然です。そういったことを考えると、働き方の改善をすすめていくうえで感じる「モヤモヤ」は、どこかで一度整理してみることも必要ではないでしょうか。それらを整理したうえで、それでも進めていくべきなのかどうかを考える。そのステップをふまずに「世の流れだから」ということで推し進められても、なかなか「腹落ち」して働き方改革を進めることはむずかしいのではないでしょうか。
1章では働き方改革が求められる背景や、働き方改革に感じるモヤモヤのどちらにもスポットライトをあてています。

例えば、もやもやの原因①

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また、本書自体が、働き方改革に積極的な先生と、働き方改革に迷いを感じる人と、そういった方々の対話のきっかけになったらいいなとも思っています。様々なデータは、双方にとって意外な点や、「あるある」と感じられる点も多いように思います。本書のデータを対話の「素材」にしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

ここまで書いてきたコンテンツを含め、本書は以下のように展開していきます

序章:教員の働き方についてのルポ
1章:働き方改革についてのモヤモヤと、働き方改革を行う背景
2章:データから考える教員の働き方のリアル
3章:データから考える教員の働き方改善のヒントと進め方
4章:働き方改善のための具体的な打ち手
5章:対談

どこからお読みいただいても、参考にしていただけるところがあるかと思います。
ぜひ、お手にとっていただけたら幸いです。
ポチっとしていただけたらさらに嬉しいです(笑)
アマゾン等、もう一度あげておきます!

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最後になりますが、本書のベースとなったプログラムは、横浜市教職員育成課のみなさまとの共同研究です。大変お世話になりました(本日も一緒に研修ですね!笑)。特に、本書にも執筆協力いただいた立田順一課長や柳澤尚利主任指導主事には、夜のカフェで最後まで原稿チェックをともにしていただいたこと、忘れません。また、執筆のプロセスのすべてについて、毎日新聞出版の久保田章子様に後押しいただきました。ありがとうございました。再度になりますが、対談にご参加いただいた、岩瀬直樹先生、杉本直樹先生、住田昌治先生、島谷千春課長にも感謝申し上げます。
そして、中原先生。いつも様々な舞台を用意してくださり、ありがとうございます。今回の舞台は、これまでで最もハードだった気もしますが、一方で一番充実していたようにも思います。そして最後の最後に辻さん。執筆プロセス、楽しかったです。ありがとうございました!これからもしばらく、一緒に頑張りましょう!!

 

 

【関連するサイト】

・辻さんのブログ
http://www.tsuji-lab.net/entry/2019/02/14/073000?fbclid=IwAR1OaFuvhU_ESZ8UeCOR8jxnxi95fTrI_Vl6Jo9OUFvsLeBPLx-IpBiT1RU

・横浜市教育委員会×中原淳研究室 共同研究のページ
http://www.edu.city.yokohama.jp/tr/ky/k-center/nakahara-lab/index.html

 

【おまけ】

・昨日、池袋のジュンク堂にいったら、すでに並べてありました

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