カテゴリー別アーカイブ: 学校組織

「教員の学び」は今どうなっているのだろう。これからどうなっていくのだろう。

「教員の学び」はどうなっているのだろう。

「正直それどころじゃない」っていうのが本音かもしれない

課題の採点,明日の授業準備,三密を避けて行事を行うための話し合い。
いろんなものが詰まっていて,教員の学びのための時間も余裕もないかもしれない。

一方で,「今こそ必要」とも言える。

変化に対応するための「教員の学び」が散々言われてきたが,
その変化が想定もしない形で訪れた。
とはいえ,変化させられたのは形式だけで,
例えば,主体性をいかすことや,学習者を中心にすえた取り組みといった
本質的な変化は起きていないかもしれない。
だからこそ,「教員の学び」が必要とも言えるかもしれない。

もっとシンプルな意味で言っても,
新しいやり方を単純に身につけるための学びは,
必要性が高まっているかもしれない。
例えば,zoomの使い方とか。
改めて考えてみれば,そういう「せざるを得ない学び」に時間を取られて,
教師としての感じ方・考え方,あるいは,「センス」のようなものが豊かになるような
そういう「じっくり学ぶ・深く学ぶ」ことは後ろにおいやられているかもしれない。

一方で,学びの「きっかけ」はむしろ豊富かもしれない。
新しいやり方をするときにどこに力点をおくか,
何に違和感を感じるか。
それは深く考えるきっかけになりうる。

さっき言った「せざるを得ない学び」も,
「もっと学びたい」「●●を目指したい」という前向きな学びに
つながるかもしれない。

色々ありえると思う。

ウィズコロナの今の「教員の学び」はどうなっているのだろう

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そして,このあとは,どうなるのか。

学びに対するモチベーションは,これまで以上に二極化していくかもしれない。
その必要性や意義を感じていた人は「今こそ」と思うし,
あまり必然性を感じてこなかった人は「それどころじゃない」と思いそう。

学びの意義は感じながら「今は無理」という人もいるかもしれない。
でも,そういう人はその状況の中で,無意識に学んでいるのではないか。

そんな気がする。

きちんと時間をとって振り返りをするとか,校内研究でコメントをもらうようなことは
なくても,変化の中で感じた自分の感情一つ一つを噛みしめて,
次の1日にいかしているかもしれない。
日常の中でのリフレクションや経験学習のような。

そもそも,学びのあり方は多様だ。

校内研究のような組織的な,意図的な機会もあれば,
同僚性の中で日常的に学ぶこともある。
個人としても,本を読む時間をとったり,振り返りの時間をとることもあれば,
日常の中でぐるぐると経験学習のサイクルを回しているうちに
学んでいることもあるかもしれない。

いろいろな変化がありえるだろうけど,ひとつ思うのは,
惰性で行われてきた取り組みは,淘汰されていくように思う。
「形骸化しているとみんなが感じてきたけどやめられなかったもの」が,
やめられる状況になっている。
少なくとも吟味の対象にはなる。
いきなりやめちゃうということもあるだろうし,
やめないとしたら,どんなやり方をするのか,何を目指すのか。
そういう検討にいくところもあるだろう。

ちょっと大雑把になっちゃうけど,

学ぶということは気づくということだし,
気づくということは,今やこれからが変わることだと思う。

僕自身は,先が見えにくい時こそ,つまり,今こそ教員の学びが重要だと思っている。
これからを考えるためにも,学びは不可欠だと思っている。
ただし,その質はかなり問われる。
つらい今だからこそ,未来の希望につながる学びを。。。

その意味でも,今はどうなっているのか。これからどうなっていくのか。
そういう現状把握やこれからの見通しも持ちつつ,
時間のあまりない中で,質の高い学びを個人でも組織でも実現していくにはどうしたらいいのか。

そういうことを自分としても考えていきたいと思っている。

教員同士の学びあう関係・学びあう場をつくるプロジェクト

教員にとって学び続けることが大事だ、というのは、ここ数年どこでも聞く話です。

専門家として自ら学ぶことが重要なのは言うまでもないですが、例えば、自分では気づけない何かに気づけること、自分の固定化された見方を揺さぶられることなどの重要性を考えれば、他者との関係の中で学ぶこともやはり重要だと思います。

しかし、そうした必要性は理解されつつも、「ではどうやって」というところは意外と盲点になっています。今年度から、埼玉県教育委員会とご一緒して、高校を対象としながら上記の点について研究するプロジェクトに取り組んでいます。

「学びあう関係・学びあう場をつくるプロジェクト」とでも言えるこのプロジェクトは、今年度からスタートしました。埼玉県教育委員会の先生方、横浜国立大学の脇本先生とご一緒して進めてきました。

学校教育において「学びあう場、学びあう関係」と言えば、「校内研究」を思い浮かべる方もいらっしゃると思います。とはいえ、一方で、(一般論ですが)校内研究は形骸化など様々な課題も指摘されています。また、学校によってはそうした文化や慣習そのものがない場合もあります。また、校内研究ではなくても、かつては職員室の雑談のなかで、飲み会の中で、いろいろな学びがあったと言われていますが、そういったものが成立しない学校も増えていると聞きます(良い悪いは別として)。

そのようななかで、学び合う関係をどのように再興するか、創造するか、というあたりは本当に悩ましいところです。まだ「これ」と言うものが何か生まれたわけではないのですが、少なくとも、「みんなで授業を見て、みんなで話し合えばうまくいく」というほど単純ではなく、例えば校内研究について言えば、叩き合い(公開者がひたすら批判される)にならず、あるいは、空中戦(それぞれ思い思いのことを言いつつ深まりがない)にならないようにするには、一工夫はやはりあった方がいいかなと思ったりします。

そのあたりをみなさんで考えつつ、開発していきたいと思っています。

このプロジェクトをやっていて感じた点がもう一つあります。

これまで自分が学校に入って何かに取り組むときは小中学校が多かったのですが、今回は「高校」という場をフィールドとしています。小中学校ももちろん多様性はあるのですが、高校はやはり、ミッションがそれぞれ明確に異なっていることについても(頭では分かっていても)改めて向き合ったような気がします。

そういった事情を考えると、文脈も状況も文化も異なる高校に何らかの方法を押し付けても変わらないように思います。いや、無理やり変えていくことはできるかもしれませんし、変化は早いかもしれません。でも、持続性がないように思います。

我々(脇本さん、私)は、各校から数名ずつ参加されている方々に、ワークショップや研修方法等に関する講義や演習等をおこなってきました。ただこれも、あくまでベースとなる部分について一緒に考えていくもので、なんらかの方法を押し付けることは避けたいと僕は思っています。

ここ数ヶ月、各校をまわりながら、先生方の思いや直面している課題、期待などについてうかがってきました。そうした対話に時間をとりつつ、「どんな場をつくるのか、どんなきっかけづくりをするのか」というあたりは、先生方の考えで構築されていくように意識しています。

そうした先生たちご自身から生まれた場をきっかけに、学びあうことの必要性に対する気づきがうまれ、そうした文化が根付いていったらいいなぁと思いながら進めています。

もう少しいえば、生徒の学びを中心にしながら、暖かく教員同士が学びあい、何かに気づくことで、結果的に「変わっていくこと」へのハードルが下がっていき、柔軟でチャレンジングな学校組織になっていくこと。

そういう変化のお手伝いができたらなと思ってます。

【動画】働き方研修プロジェクト:巻き込み×データ対話による86校での実践を目指して

横浜市教育委員会とともに、3年間の働き方プロジェクトを進めてきました。
1年目は実態調査、2年目はモデル校実践、3年目は研修を通じて86校で実践。

この3年間の中で、私たちのプロジェクトが重視してきたのは、「自分たちの働き方を自分たちで決める」ことです。

なぜこれを大切にしてきたか。

働き方は、最後は個人に帰結します。
どんなに無理やり「定時退勤だ」と言われても、結局「帰れない人」「帰りたくない人」「帰った形で別の場所で働く人」を生んでしまいます。
それどころか、「帰れ」という側(言う側もどこか無理をして言っていたりするかもしれません)と「はいはい」と動かされる側に嫌な空気さえ流れる。
結局、腹落ちしないで押しつけられた定時退勤も、部活動休養日も、資料共有も、様々なルールも長続きしない可能性が高いです。
決めたルールも使おうと決めたシステムも、ちょっとずつゆるくなっていく、曖昧になっていく。
つまり、「ウヤムヤ化」が起きます。

だからこそ、「自分たちで決める」なのです。

以下の雑誌記事には、先日の成果報告会の様子が記されていますが、記事の中にこんな文言があります。
https://wedge.ismedia.jp/articles/-/17938

”「『自分たちの学校にとって必要だ』とみんなで話し合って決めた改革案を途中で投げ出すわけにはいかない」”

それぞれが自分ごとと思って働き方改革に向き合われたからこその言葉ではないかと思います。

しかし、”「自分たちで決める」と言っても、「自分たちの中から」多様な意見が出て、結局何も決められないんじゃないか、何も変えられないんじゃないか・・・”
確かに、そうなり得ます。
我々もそれを危惧しました。

だからこそ、私たちは目的の共有と、対話、意思決定にこだわりました。
つまり、「決め方」です。
データを用いた対話と、ワークショップ的な手法を活用しました。
詳しくはこれから論文等で示していく予定です。

※決め方の「一端」は、下記の書籍に書いています。
スクリーンショット 2019-02-07 3.57.25
データから考える教師の働き方入門(毎日新聞出版社)

1番のポイントは、「みんなでワークショップをおこなって決めていく」ことです。
ただ、丸腰でそれを行っても上記の懸念のように、「決められない」かもしれません。
だからこそ、「その対話を可能にする」ためにデータを用いるわけですし、
「意思決定の質をあげる」ためにデータを用いるわけです。
そしてそして、これらの取り組み全体を実現可能にするために
「プロジェクトチームを組む」わけです。

と言ってみても、詳細は伝わらないと思います。笑
その辺りについても、これからアウトプットしていきたいと考えています。

最初に書いた通り、2年目はこの実践をモデル校で行いました。
我々も学校の中に入って、一緒に行いました。
そして、3年目は、それを86校で実践する、という取り組みを行いました。

この実践、モデル校に我々が入って一緒にやるとき(2年目)でさえ、それまでの学校との共同実践に比べて、難易度【1000】倍くらいでした(当社比)。
ですが、これを86校で行うのは、さらに難しかったです。
難易度【243117】倍くらいでした。

「86校で行う」というのはどういうことかというと、つまり、新任校長研修を通じて、上記の取り組みを各校で運用できるよう、86人の校長先生を支援した、ということです。

後で挙げている中原先生のブログでは、この取り組みを下記のように表現しています。
===
1. 管理職をチェンジエージェント(変革の中心人物)とした働き方改革のプロジェクトを組織してもらう
2. その(各校での:町支注)プロジェクトでは、サーベイフィードバック型の組織開発の手法を用いながら実施してもらう
3. 1と2をうまく組織化するアクションラーニング型の研修を実施する
===

なんのことやら、伝わったかどうかわかりませんが、前述の、みんなで決めていく型の取り組みを推進していけるような、その推進担当者として校長先生に対する研修を行なったということです。

正直に言って、かなりハードで繊細な研修でした。
いつ火を吹くかわからない。
そんな研修でした。

働き方の研修と言っても、「考え方」を示して実際の進め方には言及しない、
「施策の事例」はたくさん示すものの実際の進め方には言及しない、
あるいは、「施策の事例」を「これが正解だ」みたいな形で強制するもの、
そういう研修って結構あると思うんですよね(自戒を込めて)

最終的にやった施策を見せられるってのは、試行錯誤した結果のみを見せられるようなもので、
実際の肝はそこに至るまでの道中にあると思うんですよね。
でも、大抵の研修は、そこの前だけか、あとだけで、実際の進め方は見えてこない。
わからない。(まぁこれは、働き方の研修に限らないと思います。)

そんな研修、そこそこまぁまぁありますよね。(自戒を込めて。2回目。)

そうならないために、どうすればよいか、ものすごく頭をひねって考えました。
研修でこの実践をすすめるということは、上記のデータを用いた対話と、ワークショップ的な手法を、我々ではなく校長自身(もしくは校内の誰か)が行うということになります。
その当事者たる校長先生方を、研修を通じて支援した、というわけです。

データの使い方は、間違うとすぐにオジャンです。
データは、その話者のトークを補強するだけの、棍棒にもなり得ます。
そんなもんでぶっ叩いても、何も組織は動きません。
いかにデータを扱うのか、そこを丁寧に丁寧に考えていきました。

ワークショップも、推進者側の独演会になってしまえば、皆を巻き込むことはできません。
場合によっては炎上してしまう可能性もあります。
そうなれば、校内には働き方改革に対する諦めが広がってしまう。
それはなんとしても避けなければなりません。
教職員の方々が自分ごととして働き方を考えられるような、そんなワークショップについても校長先生の皆様と考えてきました。

データや対話だけではありません。
この研修では(研修内ではそういう言い方はしませんでしたが)組織開発や組織変革の知見を様々に援用しました。

一歩一歩、スモールステップで進めながら、86人の校長先生と進めてきました。
繰り返しになりますが、こんなにハードで繊細な研修は初めてでした。。。

※これらについての詳細も、今後アウトプットします

そして、この取り組みは、3回の研修のみで達成したわけではなく、
進め方等を各校内で共有するためのDVD、校内で調査を行い結果のグラフ化を自動で行うためのシステムなど、様々なツールを用いました。

DVDは今、youtubeにあがっています。
是非見てみてください。(下記の画像をクリック)

スクリーンショット 2020-02-18 10.48.30

これらの取り組みおよびDVDについては、中原先生のブログでも紹介されています。
NAKAHARA-LAB:働き方改革を「熱量アゲアゲ・現場ポットンモデル」や「詰め込み・ポットン・祈るモデル」で行ってはいけない!:現場に「対話」を促すための「働き方見直し・ビデオ映像」大公開!

このDVD作成については、中原先生もさまざまな思いが・・・
(詳しくは先生のブログ↑ご覧ください)

さて、長くなってしまいました。
横浜市との取り組みは、当然、我々(中原先生、中原研辻さん、私)だけで進めたわけではありません。
横浜市教育委員会の山本朝彦さん、飯島靖敬さん、柳澤尚利さん、山内裕介さん、野口久美子さん、根本勝弘さん、立田順一さん(現・緑園西小学校)、外山英理さん(南吉田小学校)、松原雅俊さん(横浜国立大学)らと3年かけて企画してきました。
みんなで、本当に、本当に、頭をひねって考えてきました。

そして、その結果、どんな成果がでたのか。
そういったあたりも含めてこれから論文等でアウトプットしていきたいなと思います。
このブログは、そのための決意表明みたいなものです。

というわけで、最後は書くぞー宣言で終わりたいと思います。

3、2、1、書くぞー。

働き方改革に関わって3年

学校の働き方改革に関わって3年.

この問題,正直つらい.すぐ燃える.

できれば関わりたくない,とさえ思ってしまう.

多くの研究者が本気でかかわらず,お茶をにごしているのも,よく分かる.

 

それでも,どうにかしたいと思うのは,本当に学校にとって必要な働き方改革ってなんなんだろう,と思うから.

 

各自が,自分らしく,自分たちらしく働く.

これまでの強制でもなく,新たな強制でもなく.

働いて幸せになる.

それは個人としてもそうだけど,それだけじゃなくて.

この仕事について,子どもの成長を目の当たりにした時の,あの,なんとも言えない,教師としての幸せも含めて.

それらを奪うような働き方改革には賛同しがたい.

この仕事にとって行うべき働き方改革ってなんなのかをちゃんと考えていきたい.

個人としても教師としても幸せになれる働き方改革を考えたい.

行政にくさしたり,一部の教員をくさしたり,そんな言説にはお腹いっぱい.

そもそも,そこにばっかり目を向けても仕方ない.

そんなことしている間に,大事なものも失ってしまう.

そう思ってます.

【本日発売!】「データから考える 教師の働き方入門」

今日、2/28は「データから考える 教師の働き方入門」(辻和洋・町支大祐編著、中原淳監修)の発売日です。とうとう出ました(涙)。

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本書「データから考える 教師の働き方入門」は、横浜市教育委員会×中原研究室の共同研究「持続可能な働き方プロジェクト」の研究成果をベースにしています。このプロジェクトでは、横浜市教育委員会の教職員育成課のみなさまとともに、学校の働き方調査や、働き方の改善に取り組んできました(教職員育成課のみなさま、ありがとうございます!)。

※(参考)このプロジェクトに込めた思いについては以前、ブログに書きました
https://cdai80.wordpress.com/2019/02/07/%E4%BA%88%E7%B4%84%E9%96%8B%E5%A7%8B%EF%BC%81%E3%80%8C%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%8B%E3%82%89%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B-%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%81%AE%E5%83%8D%E3%81%8D%E6%96%B9%E5%85%A5%E9%96%80/

本書の特徴の一つは、タイトルにもある通り、データを用いていることにあります。例えばこれ、

●休憩時間に休憩できてない教員99.6%

休憩時間に休憩できてない教員99.6% 。休めてるのは0.4%のみ。さらっとすごい数字が出ています。

近年、たくさんの行政調査などが行われ、過労死ライン以上は●●%といった数字は、繰り返し出されています。本書は、そういった質問も行なっていますが、それに加えて、働き方や職場に関する先生方の「認識」もたずねています。それらをクロスすると、例えばこんな調査結果も見えてきます。

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教員がどうしても長く働いてしまう原因の一つ(他にもたくさんありますが、そのうちの一つ)には、「不安」があるのではないでしょうか。特に若い人に多いかもしれません。明日の授業が、明日の学活が不安。生徒は待っているのに準備ができていない。準備不足で右往左往してしまう自分を想像して不安。だから、「できうるかぎり」の準備をしてしまう。そんな不安が長時間労働を生んでしまうのかもしれません。

こういったように、データを通じて、「なぜ長時間労働が起きるか(2章)」あるいは「長時間労働を改善するには(3章)」といった点について、様々な切り口からデータを通じて考えています。

もう一つの特徴は、ストーリーを大切にしている点です。データは、その数字だけでは何も語りかけてはくれません。その背後には人がいて、働き方には一人一人に物語があります。そういった一人一人の物語に思いを馳せてこそ、はじめて数字に意味が出てくるのだと思っています。我々は、そのメッセージを序章と5章(対談章)に込めました。

序章では、複数の匿名の教員に寄り添って、働き方のストーリーを編んでいます。ここでは、辻さんの文章力がふんだんにいかされています(プロフェッショナル!!)。

●序章

 

また、5章では、中原先生と三人の先生方の対談があります。岩瀬直樹さん、杉本直樹さん(ダブル直樹さんだ!)、住田昌治さんにお話をうかがっています。3名の方々がこれまで働き方についてどんな経験をされてきたか、そして、働き方の改善が進んだ先にはどんな学校や教師がありうるのか、といった点について語っていただいています。それぞれの先生にしか語っていただけないことも語っていただけたように思います。ここの章を読むためだけに買っても惜しくないくらいだと思います(自画自賛ですみません。でも本当に面白いです)。

●対談

5章には、あわせて特別対談があります。横浜市で教員の働き方改革に取り組んでいる二人の課長(立田順一課長、島谷千春課長)にお話しいただいています。これがまた、”他では聞けない話”が色々あって面白い。行政の方としてギリギリのところまで語ってくださっているように思います。一方で、もともと現場にいながら、あるいは、もともと文科省にいながら、今は教育委員会の一員として学校現場に働きかけることへの迷いや難しさのようなものも滲み出ていて、「なるほどなー、行政にいる方はこういう風に考えているのか」と考えさせられるところがたくさんあります。

さて、データとストーリーという2つの特徴を見てきたわけですが、もう一点、本書で大切にしてきた点があります。それは、「組織で取り組むことも視野に入れている」という点です。もちろんどのように働くか、ということは、個人に原点がある問題です(個人の働き方に関するデータやストーリーももちろんたくさん取り扱っています。)しかし、学校として業務の一部をやめたり、というところまで踏み込んでいくことを考えるならば、働き方の改善には「組織」で取り組むことも視野に入れてとらえる必要があると考えています。

これは同時に、働き方の改善に「それほど積極的でない」先生や、「迷いを感じている」先生も巻き込んでいく必要がある、ということを意味しています。本書は、そういった先生にも読んでいただける本、そして、読んでいただきたい本です。また、そういった先生方を「巻き込みたい」と思っている方にもぜひ読んでいただきたいと思っています。
働き方改革に対して、迷いや葛藤を感じるのは、ある意味当然かもしれないと思っています。数年前までは、今の働き方改革の流れとは異なり、とにかく時間や労力をかけることは単純に良いこととされてきました。それが急に変わってきたことにとまどいを覚える人もいるのは当然です。そういったことを考えると、働き方の改善をすすめていくうえで感じる「モヤモヤ」は、どこかで一度整理してみることも必要ではないでしょうか。それらを整理したうえで、それでも進めていくべきなのかどうかを考える。そのステップをふまずに「世の流れだから」ということで推し進められても、なかなか「腹落ち」して働き方改革を進めることはむずかしいのではないでしょうか。
1章では働き方改革が求められる背景や、働き方改革に感じるモヤモヤのどちらにもスポットライトをあてています。

例えば、もやもやの原因①

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また、本書自体が、働き方改革に積極的な先生と、働き方改革に迷いを感じる人と、そういった方々の対話のきっかけになったらいいなとも思っています。様々なデータは、双方にとって意外な点や、「あるある」と感じられる点も多いように思います。本書のデータを対話の「素材」にしていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

ここまで書いてきたコンテンツを含め、本書は以下のように展開していきます

序章:教員の働き方についてのルポ
1章:働き方改革についてのモヤモヤと、働き方改革を行う背景
2章:データから考える教員の働き方のリアル
3章:データから考える教員の働き方改善のヒントと進め方
4章:働き方改善のための具体的な打ち手
5章:対談

どこからお読みいただいても、参考にしていただけるところがあるかと思います。
ぜひ、お手にとっていただけたら幸いです。
ポチっとしていただけたらさらに嬉しいです(笑)
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最後になりますが、本書のベースとなったプログラムは、横浜市教職員育成課のみなさまとの共同研究です。大変お世話になりました(本日も一緒に研修ですね!笑)。特に、本書にも執筆協力いただいた立田順一課長や柳澤尚利主任指導主事には、夜のカフェで最後まで原稿チェックをともにしていただいたこと、忘れません。また、執筆のプロセスのすべてについて、毎日新聞出版の久保田章子様に後押しいただきました。ありがとうございました。再度になりますが、対談にご参加いただいた、岩瀬直樹先生、杉本直樹先生、住田昌治先生、島谷千春課長にも感謝申し上げます。
そして、中原先生。いつも様々な舞台を用意してくださり、ありがとうございます。今回の舞台は、これまでで最もハードだった気もしますが、一方で一番充実していたようにも思います。そして最後の最後に辻さん。執筆プロセス、楽しかったです。ありがとうございました!これからもしばらく、一緒に頑張りましょう!!

 

 

【関連するサイト】

・辻さんのブログ
http://www.tsuji-lab.net/entry/2019/02/14/073000?fbclid=IwAR1OaFuvhU_ESZ8UeCOR8jxnxi95fTrI_Vl6Jo9OUFvsLeBPLx-IpBiT1RU

・横浜市教育委員会×中原淳研究室 共同研究のページ
http://www.edu.city.yokohama.jp/tr/ky/k-center/nakahara-lab/index.html

 

【おまけ】

・昨日、池袋のジュンク堂にいったら、すでに並べてありました

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