カテゴリー別アーカイブ: 教員採用試験

平成25年の都道府県別教員年齢構成を出してみた

先日、石川先生のメルマガに記事を書かせていただく機会をいただき、大量採用に関連することを書いた(メルマガのページはこちら)。その際に、石川先生のFBのコメント欄で地域差についての話題が出ていたので、改めて都道府県ごとの年齢構成を出してみた。

対象は小学校教員。データもとは、H25学校教員統計調査。http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001016172
(留意事項①年齢であって経験年数でない。左の山がそのまま採用数を表すわけではない。②比較のため、人数ではなく%で示している)

幾つかの都道府県をピックアップすると、主に下の3群のイメージ

H25年小公教員年齢構成%

A群 都市部。すでに大量退職と大量採用。この時から4年経ってるので、現在は、右の山が小さくなり、左の山が大きく高くなっているだろう。

B群 基本的にはこのまま右にずれていくので、このグラフの数年後からは大量退職と大量採用が訪れると思われる。つまり、これからA群と同じ波が来る。統廃合や少子化の影響は受けるが、極端な山なので、それなりに採用増にはなる。また、行政が先を見越して再任用などの施策で年齢のバランスを考える可能性はあり得るが、だとしてもそれ以上の採用増で若手の割合がかなり高まると思われる。

該当するのは都市部以外のほとんど。実際数えたわけではないが、この群が多数派と思われる。岡山などは、A群とB群の間ぐらいで、右に大きい山、左に小さい山がある感じだった。

C群 FBのコメント欄で話題になっていたところをピックアップ。実際、右に山頂があるけれど、かなりなだらかな状態だった。年齢構成の歪さはかなり小さい。これらの自治体は少し状況が異なる。今後も、統廃合や少子化の影響、また、再任用などの施策で、他府県のような大量採用は起きないかもしれない。一定増はあるだろうが。

グラフに書いた3都道府県以外で言うと、沖縄がこの形だった。話題にあがっていた秋田はどちらかというと、B群に近い形をしていた。

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地域間の差は、主に大量退職・大量採用が訪れる【時期の差】。都市部は少しずつおさまり気味。地方はこれから。ただし、北海道・青森・鹿児島・沖縄あたりは少し特殊な状況。これらの自治体では少しずつ採用増えるし、それも長めに続くと思うが、急激な変化は無いかもしれない。

メンター方式とは① : 中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」を受けて

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【参考:メンター方式に関わるその他の記事】

●メンター方式とは①:メンタリングとは←ココ
●メンター方式とは②:なぜ今メンター方式なのか
●メンター方式とは③:内容や手法の紹介
●メンター方式とは④:セーフティネットとして

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【本文】

2015年12月21日に、「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」と題された答申が発された。(教育新聞「中教審総会で3答申 馳文科相に手交」https://www.kyobun.co.jp/news/20151222_01/

アクティブラーニング、チームとしての学校ICTなどなど、最近の潮流を表すキーワードも盛り込まれ、様々な面で話題となっている。

例えば、アクティブラーニングはここ数年散々言われてきたが、アクティブラーニング的な学びの場を作れるような教員をどう育てるのか、ということはこれまでそれほど言われてこなかった。また、研究者の身分に関わって言えば教職課程認定の話はスルーできない問題である。

他にも、教員養成指標を策定する流れになったこと、養成・採用・研修の一貫性がうたわれるようになったこと。(これは、これまで割とスルーされてきた「採用」が改革の対象となったという意味合いも持っている。)また、より細かい点としては、教員採用試験における共通問題の作成が示されていることなど、割と多彩なポイントがある。

自分の研究に関わる側面でいえば、「メンター方式」に言及されていることが大きなポイント。ここ数年、横浜市教育委員会とともに、メンターチームに関わる調査や実践を積み重ねてきた(参考:当ブログ「メンターチーム」検索)。
教員養成部会のメンバー(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/meibo/1363205.htm)には、かつての横浜調査時に大変お世話になった校長先生の名前もあり、横浜市のメンターチームが一つの参考になった可能性は高いだろう。

しかし、一般的に言って、「メンター」という言葉は認知されているとは言い難いんじゃないだろうか。
自分も初めて「メンターチーム」という言葉を聞いた時(当時は現場の教員であった)は、「メンタル的にサポートするためのチーム」ではないかと思っていた。
多くの人にとって馴染みのある言葉かといえば、そうではないというのが現状ではないだろうか。

そこで、しばらくは(続けば。気持ちが続けば。)メンターやメンタリング、メンターチームについて書いていきたいと思う。
アカデミックに、というよりは、イメージで描いていきたいと思いますんで、もともと研究してる方からはツッコミを受けるかもしれません。
ツッコミお待ちしております、というか、むしろ、修正していただけるのはありがたい。。。

メンターという言葉の語源は、ギリシャ神話に登場する「メントール」という人物だったと思う。メントールは、人生の先輩として王子を導いた人。この物語が由来となって、『指導者・後見人・助言者・教育者・支援者という役割を全て果たす人(久村1997)』を意味する言葉だと言われている。

と、書くと、全知全能というか、ものすごく素晴らしい人をイメージしてしまうかもしれないが、メンターという言葉のイメージとは少しずれてしまうかもしれない。むしろ、次のような感じをイメージしてもらうと分かりやすいんではないだろうか。

社会人になってそれなりの経験をへた人が、かつてを振り返って、「今の自分があるのはあの人のおかげ」みたいな事を言うことってありませんか?
「あの人に出会えたことで私は成長できた」と思えるような人。
相談に乗ってもらったり、悩みを愚痴らせてもらったり、時には方向性を示してもらったり、あるいは叱咤激励してもらったこともあったかもしれない。
若い自分を、それなりに近い距離から見守ってくれたり、背中を押してくれた人。

そういう人を「メンター」と考えると良いと思います。
また、そのメンターと、後輩(メンティーと言います)との関係を「メンタリング」と言います。

昔からある研修っていうのは学ぶ内容を基点に考えるもので、いわゆるOJTは学ぶ場面を基点に考えると思いますが、メンタリングは人と人との関係を先ずベースに考える、という形です。
そういう意味では、視点は異なるとはいえ、これまでの初任者研修やらOJTと、重なる部分もあったりします。実際、大阪府のOJTに関する文書には、メンタリングの概念が紹介されていたりします(次世代の教職員を育てるOJTのすすめ~学校で育てるために~http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/6350/00000000/ojt.pdf)。

また、さらに言えば、かつて日本に自然にあった「同僚性」の中での先輩後輩関係というのは、メンタリングのイメージに最も近いと思われます。
こういった関係を、自然発生に任せず、ある程度公的にサポートしていくのが、「メンター方式」と考えるのが良いと思います。

では、なぜ、この「かつて自然にあったもの」を公的にサポートしていく必要があるのでしょうか。
この辺りについては、「大量採用」が関係しますが、これらについて、次回、書いていきたいと思います。

さて、最後に、本の紹介をしておきたいと思います。
自分の本です。笑
メンターチームについての調査結果をまとめた本です。
後半には、メンターチームを行う上での留意点なども紹介しております。

というわけで、良かったら、ポチしてください。笑
お願いします。

【教師の学びを科学する:データから見える若手の育成と熟達のモデル】9784762828973

続きはこちら(↓)から
参考:メンター方式とは①〜④

教員採用試験の共通化に関する問題

標題の政策。

これまでの流れ

①5月に教育再生実行会議からの第7次提言に盛り込まれ、
②7月、中教審における「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」 中間まとめにも入り、
③11月の上記答申(案)にも入っている。

流れからすれば、このまま決定されるのだろうか。

細かい点はひとまず置いといて(書く時間があと3分しかないので)、とりあえず関わりのある文言をあげておく。

①教育再生実行会議からの第7次提言

3. 教師に優れた人材が集まる改革
~教育の革新を実践できる人材に教壇に立ってもらうために~

(全国的な教師の育成支援拠点の整備)

この拠点は、教育基本法第9条の理念が実現されるよう、上述の全国的な教員研修・支援のハブ機能を担う。また、現在、都道府県・政令指定都市ごとに実施されている教員採用選考について、その効果的、効率的な実施の観点から、この拠点を中心とした共同試験を実施し、その結果を各都道府県・政令指定都市が活用できるようにすることについても検討する。

②中教審「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について」 中間まとめ

4.改革の具体的な方向性

(3)教員採用に関する改革の具体的な方向性

②教員採用試験における共通問題の作成に関する検討
○ まずは、各都道府県等における教員採用の際の試験問題作成上の負担軽減や、
新たな教育課題を踏まえた適切な試験の実施等の観点から、各都道府県等の採
用選考の内容分析やニーズの把握等、必要な検討に着手すべきである。

③中教審「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~」答申案

4.改革の具体的な方向性

(2)教員採用に関する改革の具体的な方向性

②教員採用試験における共通問題の作成に関する検討
○ まずは、各都道府県等における教員採用の際の試験問題作成上の負担軽減や、
新たな教育課題を踏まえた適切な試験の実施等の観点から、各都道府県等の採
用選考の内容分析やニーズの把握等、必要な検討に着手すべきである。
○ 独立行政法人教員研修センターが、教員の資質能力の向上に関する調査研究
を行うようになることを考慮すれば、こうした調査研究が教員採用試験の共通問題
の作成し検討する際にも大いに役立つと考えられることから、当該法人が積極的
に関わるべきである。

【教採】自己PR、ワタシナラ。

自己PRって難しいですよね。
「私はこれが出来ます」
これをいやらしくなく、でも、力強く言う必要がある。

【昔自分が受けてたときこう考えていた】ということ、
それから【色んな人の自己PRを見て感じたこと】それらをふまえて書いてみようと思います。
今回も、毎度のことながら、信じる信じないはあなたの自由です。

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①最初の部分「私は●●については自信があります。」

こういう始め方が分かりやすくていいんじゃないまろか。

そして、ここでの「●●」は、なんとなく、単語でない方が良い気がする。
専門性、計画性、コミュニケーション力、とか言うより、

「専門性を背景として授業をつくること」
「計画性を持って仕事に取り組むこと」
「周りの方々とコミュニケーションを取りながら仕事をすすめること」

の方が、なんとなく、やわらかく聞こえる。
「コミュニケーション力があります」とか言うと、
「あなたが言うコミュニケーション力ってなに?」みたいな事が、どっか引っ掛かる。

でも、「コミュニケーションを取りながら仕事をすすめてうまく連携をとることに自信があります」って言われると、わりとすんなり理解できる。

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②というのも…

①のあとに続いて、その説明を付すところ。

ここでありがちなのが、「大学時代の経験」
バイトで。サークルで。研究室で。
それは、事実としてそうだったりするんだろうけど、正直言って弱い。
ありがち過ぎる。
手垢がつき過ぎている。

むしろ、「小さい頃から…」の方がかわいらしくて良いんじゃないだろうか。
面接にかわいらしさは必要か、という問題はおいといて笑。
「小さい頃からサッカーをやっていて、●●●」とかね。
「小さい頃から●●●が好きで、●●をしてきた」とか。

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③これは、私の人生に色々と影響を与えており、例えば、…。

これは、④(教職にどう活かされるか)へのつなぎかな。
小さい頃と教職を直接つなげるのも微妙なので。

で、ここで大学時代の話を出すのが良いんじゃないだろうか。
大学の研究室ではこんなことがあったんですけど、こうしました、とか。
ここで出すと嫌らしくないと思います。

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④締め:こういった点は教員になった後の●●に活かせると考えております。

この辺は、多少甘くてもいいかなと思います。
もちろん、モノゴトそんな簡単じゃないでしょう。
でも、「仕事の実情は分かってない」のは仕方のないことですから。
「分からないんだけれど、活かせるんじゃないかなぁ、活かせるように頑張りたいなぁ」ぐらいの感じが良いんじゃないかと思います。

そういう意味で言うと、「●●が出来ます」とか言うと、やっぱりちょっと言い過ぎかなぁ、という感じがする。

⑤その後の問答。

一つ想定されるのは、実際の教師の仕事は○○だと思うんだけど、④みたいに単純じゃないと思うんだけど、的な流れはいかにもありそう。

そういう場合は、
「もちろん、簡単ではないと私も思います。ただ、、、、。その中で、、、○○の基盤には、児童生徒を◆◆することがあると思います。そういう意味では、●●の力を活かししてやることは、簡単ではないとは思うんですが、そこに挑んでいきたいと思います」
みたいな感じとか、イイよね。

ICTと教員採用 〜採用試験に「電子黒板を使った模擬授業」が課されはじめている〜

先日、教職志望のとある学生から聞いた話。
私立学校の教員採用で、模擬授業に「電子黒板等を使って」という条件が課されたとのこと(確かな情報ではないですが)。

なるほどな。
確かに、そういう方向になるのは分かる。
私立では、全校的にICT利活用ガンガン進めている学校はあるわけで、そんな学校ではそうなっていくのもうなづける。

公立で言ったら、佐賀が有名。

全国初、教員採用試験に電子黒板 (佐賀新聞 2013/5/9)
http://www1.saga-s.co.jp/news/saga.0.2449884.article.html

—(引用)—

佐賀県教育委員会は2014度の教員採用試験で実施する「模擬授業」に、全国で初めて電子黒板を取り入れる。ICT(情報通信技術)教育を推進する県は、本年度中に全県立学校に電子黒板を配備する計画で、電子黒板の利活用は教員の標準的な能力と判断した。
県教育情報化推進室などによると、2次試験で実施している模擬授業で電子黒板を使い、利活用の能力をみる。小学校、中学・高校、特別支援学校、養護、栄養教諭の全区分が対象になる。導入の理由について、同推進室は「県内では電子黒板の普及率も高まり、利活用する力は教員の基本的な能力」と説明する。
採用試験は例年、7月に1次試験、8月に2次試験を実施。昨年は1272人が受験し、192人を採用した。模擬授業では、試験開始30分前にテーマを示していた。電子黒板導入に伴い、同推進室は「これまで通りの方法でいいのか検討している」としており、詳細については5月11日に実施要項で発表するほか、佐賀市のメートプラザ佐賀で志望者向け説明会を開く。
県教委は12日に佐賀大学で教育フェスタを開き、電子黒板を使った指導事例を公開する。同推進室は「教員を目指している人にもヒントになるはず。佐賀県で先生になろうと考えている人は、ぜひ参加してほしい。電子黒板を使いたい人、授業を見学したい人は、機会を提供したいので相談に応じる」としている。

—(引用終)—

これからICT利活用をガンガン進めていくのであれば、こういう方向になるのも当然なんだろな。
とすると、教採に力を入れている大学の教職課程やら、教採対策やらは、こういう方向性での対応も必要になってくるんだろう。
って考えると、「公教育におけるICT利活用」について総合的に教えられる大学教員っているんだろうか、という話になる。
制度や政策とかだけでなく、概念的な部分だけではなく教科教育法的なノリだけでもなく、「ICTを活かした小中学校の授業作りと学校づくり」みたいな観点でね。

そういう大学教員って居るんだろうか、という話になる。。。。。。

・・・・・うん。。。わたしに、おしごとくだしゃい笑。

(昨日、とあるワークショップで、「いま一番実現したいこと」に「任期なしの職を得る」と書きましたwww 切実でありますw)

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ちょっと話は変わるけど、最近、「採用試験の共通化」が言われはじめてますよね。
その是非はここではさておき、共通試験化は「教員の養成・採用・研修の一体改革」という流れに位置づくわけで、その中に国がすすめたい方向性が示される、という事は当然予想される。

例えば、下記の記事には「情報化や国際化の進展に伴い、次期学習指導要領には子供の課題解決力の育成などが盛り込まれる予定で、こうした指導を充実させるためには教員の養成・採用・研修の一体改革が必要」とハッキリ書かれてる。

まさに、ICT利活用もこの流れ。

もちろん、予想される「共通試験化」の部分は、いわゆる一次というか、ペーパーテスト的な部分だろうから(※全国共通で模擬授業やるとは考えられない…)、その中にどの程度、どういう形でICTの話が出てくるかは分からないけれど、まぁ、なんらかの影響が出てくるのは間違いないんではないだろか。

「採用を変えることで、教員養成を変えて、教員を変える…」というストーリーであり、その流れに「情報化」は間違いなくのっていくだろう、と。

そうなると、「公教育におけるICT利活用が教えられる大学教員」が。。。(略

教員採用に共通試験、養成・研修と一体改革 再生会議提言(日本経済新聞 2015/5/15)http://www.nikkei.com/article/DGXLZO86821330V10C15A5CR8000/

—(引用)—

政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は14日、各都道府県・政令指定都市が実施している教員採用選考のうち、筆記試験は全国共通にすることなどを求める提言を安倍晋三首相に提出した。文部科学省は中央教育審議会(中教審)に検討と年内の答申を求め、制度設計を進める方針だ。

教育再生実行会議の提言は7回目。情報化や国際化の進展に伴い、次期学習指導要領には子供の課題解決力の育成などが盛り込まれる予定で、こうした指導を充実させるためには教員の養成・採用・研修の一体改革が必要だとした。

そのため、各都道府県や政令市がそれぞれ行っている教員採用選考について、筆記については国が中心となって共通試験を実施し、各自治体が結果を活用できるようにすることを求めた。各地の教員研修拠点を充実させる必要性も指摘。具体的には独立行政法人の教員研修センター(茨城県つくば市)の機能強化などを想定している。

このほか教科書のデジタル化の推進、世界最高水準の教育力と研究力を備えた「卓越大学院(仮称)」の設置なども提言した。卓越大学院は特定分野で高い実績をあげる大学院を中心に、民間企業や海外の研究機関と連携することを想定。イノベーションの創出や起業家精神を備えた人材育成などにつなげる狙いがある。

下村博文文科相は教員採用選考での共通筆記試験について「(試験の)負担が大きいとする自治体の意見を聞き、検討したい」と述べた。

—(引用終)—